気持ちよく走れる大根丘陵縦断街道

知る人ぞ知る、絶景ロード

都内から行きやすく海と山に囲まれている自然豊かな土地なのに、あまり絶景ロードとして取り上げられないのが三浦半島の最南部を走る大根丘陵縦断街道です。
三浦半島といえば、マグロ、こじんまりとした海水浴場、横須賀海軍カレーなどを思い浮かべる人も多いと思います。

あまり派手なイメージはありませんが、気負わずに楽しむツーリングにぴったりで、こっそり隠しておきたくなるような場所です。

ビギナーにも優しい三浦半島

そもそも三浦半島は平坦な道が多い丘陵地帯で、急なアップダウンやカーブなどはほとんどありません。
のどかな大根畑や可愛らしい小高い丘、時折見える駿河湾は、まだバイクに慣れていないビギナーから、のんびりとリラックスしながら走りたい息抜きツーリングとしても最適です。

さすがに海外線沿いは交通量が増えますが、ゆるやかなカーブにどこか懐かしさを覚える漁港や町並みはとても気持ちよく走れます。

歴史ある農道でノスタルジーを

そんな穏やかな三浦半島の絶景ロード、大根丘陵縦断街道はその名の通り、南側を縦断するルートです。
実は国道や県道ではなく、古い農道なため混雑するようなことは一切ありません。
農道といっても、片側1車線の十分な広さと適度なカーブがあり、まず迷うことのない1本道のような優しいルートです。

大根丘陵縦断街道が走りやすい理由は、元は軍用通路として使われていたため、ある程度の道路幅を確保し大きなカーブがないからといえます。
丘の上にはこの地域の名産でもある三浦大根の畑が広がり、大根葉の緑に癒されます。
さらにその緑一面の畑の奥には眩しく光る海が望み、これぞ日本の原風景、初めて走ったのに、子供の頃に訪れた田舎のようなノスタルジックな気持ちになってしまいました。

左右に広がる緑と海、交通量が少なくほぼまっすぐな道という爽快さに思わずスピードを出したくなりますが、あくまで農道で、バスも走っているというので厳禁です。
むしろ、時折、止まりながらおいしい空気と風景を味わって、急がず、ゆったり楽しむことをオススメします。
駆け抜けてしまうのはもったいない雰囲気です。

お楽しみは後半に

すっかりリフレッシュした後で、三浦半島の自然が魅せるお楽しみが待っています。

それは何でしょう?
小高い丘の上、まるで野原のような畑を抜けると、ゆるやかな農道が目の前の海へと向かって伸びている様が飛び込んでくるのです。
高低差はそんなにありませんが、この風景の中を駆け降りると思うだけで心躍ります。

自分以外は誰もいない道を、海をめざしてひた走る爽快さはたまりません。
小さい頃、土手を駆け降りたときの心地よさを思い出し、一緒に走った仲間と「楽しかった」と思わず笑顔になりました。
正直、SNS映えするような派手なスポットやスリルを感じることはありませんが、しみじみと味わうような滋味深く、いぶし銀の魅力を満喫できます。

約10km、20分程のコースですが、三浦の自然を堪能し、日々の疲れを吹き飛ばすミニツーリングにはうってつけの場所だといえます。