箱根と湯河原を結ぶ椿ライン

ライダーの憧れ、ワインディングルート

箱根芦ノ湖と湯河原をつなぐ県道75号線といえば、関東のライダーなら一度は走りたいと憧れるルート椿ラインでしょう。
美しい名前とは裏腹にほぼ直線の道がないくらいにカーブが続く、どちらかというと男らしい峠といえます。
最初に走るときは緊張しますが、まっすぐな道とは違う爽快感を味わうことのできる、人気のルートです。

名前にある通り、道沿いには多くの椿が植えられており2月~4月上旬にかけて美しく咲き、訪れた人の目と心を癒してくれます。
椿だけじゃなく桜も植えられているので、華やかな景色も楽しみたいのなら4月は絶対に外せません。

もちろん、それ以外の季節も魅力的です。
夏は木々のおかげで日が翳り涼しく、紅葉を愛でる秋も趣きがあり、葉が落ちる冬は日差しが差し込んで明るい道に変わります。

動物にも注意! スピードは抑えめに

椿ラインは峠のわりにはそこまで道幅も狭くないため、ワイディングルートにまだ慣れていないビギナーライダーも気持ちよく走ることができます。
しかし、くねくね曲がった道が続くだけでなく、バスなどの車やバイク、サイクリングを楽しむ人、登山客なども多いため、くれぐれもスピードの出しすぎは厳禁です。

長く続く峠では、動物に出くわす場面も多々あります。
カーブに慣れてきても、慎重なくらいでちょうどいいかもしれません。

必ず訪れたい、大観山

湯河原側から30分程度で着く大観山は、「かながわの景勝50選」に選ばれています。
椿ラインに行くのであれば、ぜひ訪れてほしい絶景スポットです。
標高約1000メートルの高さから見る箱根の山と芦ノ湖、富士山の眺めは時間を忘れて、眺めていたくなります。

ただ、それだけ標高があるということは、天気が変わりやすいということです。
すっきり晴れていたと思ったら急に空気が変わり、空が曇り始めるなんてことも、決して珍しいことではありません。
のんびりしすぎて気づいたら真っ暗な雲に覆われて大慌て…ということがないよう、空の変化にも注意しておきましょう。

そして、余裕があったら立ち寄りたいのが「ししどの窟」です。
大観山に向かう途中、標高570メートルの鬱蒼とした山道を歩くと、灯籠や観音像が多数奉納された窟や街路樹があり、まるで映画やマンガの世界に迷い込んだような気持ちにさせられます。

「ししどの窟」へ分岐するところにあるバイクを止められるスペースでは、多くのライダーが休憩しています。
ここで、ぜひ止まって休憩してみてください。
とても見晴らしがよく、写真におさめたくなる景色に出会えます。

温泉でリフレッシュ

ワイディングルートを満喫した後は、温泉に入ってスッキリするのも椿ラインの醍醐味といえます。
湯河原と箱根、どちらも温泉地として有名です。
自然の中を走って心を癒した後は、温泉で疲れた体を癒すというのもいいツーリングではないでしょうか。